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第935回 12月例会ご案内

日時  平成22年12月5日(第一日曜) 午前8時30分 集合  晴雨共
     ※時間厳守
集合  JR京都駅 八条口 (新幹線側)貸し切りバス乗場
解散  JR京都駅 八条口 午後6時頃の予定
講師  日向進先生  京都工芸繊維大学教授
     野村勘治氏  京都林泉協会副会長
見学  滋賀県蒲生郡竜王町と野洲市五条の庭園と文化財
     ◎鏡神社  蒲生郡竜王町鏡  
     国道8号線の北側の高台に鎮座する。新羅国皇子ともされる天日槍を祀る。8号線の南、昔の中仙道の鏡宿の南に横たわる低い山が鏡山で、古墳が多数あることでも知られている。その中腹の鏡神社の飛び地に八王子祠があり、その後方に石灯籠と宝篋印塔がある。
     ・石灯籠  室町時代前期   重文
     高さ282.4cm。形状は総八角形。基礎各側面に格挟間を入れる。竿は八角の長い柱で、その一面に「応永廿八(一四二一)辛丑八月八日 願主敬白」の銘文を刻む。中台は蓮台式。火袋は八面で、火口四面の他の四面には蓮座上に立つ如来像を刻出する。すっくと立つ姿が美しく、印象的な灯籠である。
     ・宝篋印塔  鎌倉時代後期  重文
     高さ168cm(相輪の上部を欠く)で、切石の二重基壇上に建つ。基礎三面に格狭間を作り、中に向かい合った孔雀文様を刻出している。塔身四方は蓮座上の月輪内に金剛界四方仏の梵字を彫り、四隅にふくろう様の鳥形を作り出した珍しいもの。笠の隅飾は三弧で、やや外に開き、内部に梵字入り月輪を刻出する。
     ◎安養寺層塔  近江八幡市安養寺町  鎌倉時代後期  重文
     JR篠原駅の東南約400mの山裾に立つ。高さ4m。現在十重になっているが、もとは十三重であったという。基礎側面の正面だけ二区に分けて、僧形坐像二躯が陽刻され、他の三面は格狭間である。初重軸部はやや背が高く、四方仏を陽刻する。相輪は完存で、水煙も作られている。
     ◎兵主大社  野洲市五条
     八千矛神(大国主神)を祀る。境内末社の御祭神は手名椎神・足名椎神・事代主神・別に五柱。草創は養老2年(718)の鎮座と伝えられる。「兵主」を「つわものぬし」と読むことにより、中世には武将の信仰が厚く、源頼朝・足利尊氏による社殿の造営を始め、数多くの武器・武具類の寄進があり、現在も社宝として伝えられている。
     庭園  池泉と遣水  平安時代末期  明治改修  名勝
     面積約2万2000平米、本殿北側より南側にかけて広がっている。近年の保存整備事業にともなう発掘調査により、平安時代の洲浜が発見され、さらに園池に水を引くための導水路・遣水や排水路、境内外の結界となる築地塀跡など相次いで見つかっている。導水路と遣水は復原されている。現在の護岸は、明治38年(1905)の日露戦争勝利後、その戦勝記念に作庭された時の石組で、大津の庭師が作庭し、その氏名まで分かっている。発掘の際、平安の洲浜の曲線に沿って杭を打ち、その上に石組をしてあったことがわかった。しかし石組がある状態で名勝指定を受けていたため、現在のように石組が復原されているが、地割りは平安時代の洲浜の曲線のままである。その曲線を残して作庭した大津の庭師に感謝したい。
     ◎苗村神社  蒲生郡竜王町綾戸
     町の中部東寄り、綾戸集落の北に位置する。南北に走る県道綾戸―東川線を挟んで東側に、那牟羅彦神・那牟羅姫神を祀る東本殿。西側に、国狭槌命を祀る西本殿がある。創祀の年代はあきらかでないが、延喜式神明帳に名を残す長寸(ナカスノ)神社が載る。寸の字を村の略字としてナカムラと訓じ、これがナムラに転じたと言われる。
     楼門
     応永の頃(1394〜1428)の造立とみられる三間一戸の楼門。入母屋造の茅葺。この地方最大規模の和様を基調とした遺構であるが、上層に禅宗様の手法も見られる。下層は、縦横に貫で組まれるほか、斗きょう間の小壁に至るまで開放されており、中央に扉もない形式は珍しい様相といえる。楼門全体はどっしりとした構えを見せ、素晴らしい。門の左手に応永35年在銘の石灯籠がある。
     西本殿  鎌倉時代末期  国宝
     徳治3年(1308)の建立。三間社流造桧皮葺、身舎側面二間。庇を前室とし、繊細な菱格子を入れる。前面の向拝一間は浜床付。組物は舟肘木、庇は出三斗、中備は蟇股と間斗束。正面飛檐打越二軒、背面二軒繁垂木。妻は叉首組。左右相称の透彫を施した正面二個の蟇股は美しく、全体の意匠もたいへん優れている。
     八幡社本殿  室町時代初期  重文
     西本殿に向かって右手にある。永享2年頃(1430頃)の建立と見られている。一間社流造桧皮葺、身舎側面一間、浜床付。左側面に幣軸板扉が付けられている。向拝と身舎の三面には美しい蟇股が飾り付けられている。
     十禅師社本殿  室町時代初期  重文
     八幡社本殿と同じ時期の建立。一間社流造桧皮葺、身舎側面一間。正面幣軸板扉、他の三面を板壁とする。蟇股などの装飾を施さない古式をとどめた社殿。
     ・神輿庫  室町時代末期  重文
     社伝によれば天文4年(1536)に正一位の神位を受けたとき、勅使の装束召替仮殿として建て、後に神輿庫に用いたという。桁行四間、梁間二間、切妻造の軽快な建物で、正面と北側面に各一ヶ所の出入口がある他は柱間すべて板壁とした簡素な外観で、全国的に類例の少ない遺構としても貴重である。
     ・東本殿  室町時代初期  重文
     建立年代は明らかでないが、向拝の蟇股の様式は室町時代のものであり、前庭にある、永享4年(1432)在銘の石灯籠は、本殿の建立と関係があると考えられている。一間社流造桧皮葺、身舎側面一間、浜床付。左側面に幣軸板扉がつく。八幡社本殿と同じ様式であって、時代も同じ頃に建立されているようだ。
会費   例会費            4000円
     臨時参加は         500円増
     バス代40人参加で     3000円
     (大学院生までは、学生証の提示により会費合計より500円引とします)
昼食  各自、弁当・茶湯、ともにご持参ください。兵主大社の参集殿をお借りして昼食をとります。
申込   12月1日(水曜)午後8時までに、電話またはFAXにて申し込んでください。
     自家用車での参加、臨時参加者の氏名はそれぞれ申込み時にお知らせ下さい。